新型コロナ対策の融資制度で愛知県の中日信用金庫の不正がありましたね

新型コロナ対策として、実質無利子の融資制度での不正が報道されました。

https://www3.nhk.or.jp/tokai-news/20220713/3000023663.html

これは、金融機関の不正ですから大きく報道されたと思いますが、借りる側の不正は給付金詐欺同様にもっと多いのでしょうね。
私も金融機関からこの制度での借り入れを勧められましたが、特に使い道が無かったことと制度活用の要件を厳密には満たしていなかったので、融資は受けませんでした。

この制度は給付金とは違い、無利子とはいえ借りたものは返さなくてはいけないので、たとえ手元の資金が不足していても将来返せる見込みがなければ借りても一時しのぎにしかなりません。

とはいえ、私も資金不足でつらい経験をしたことはあるので、資金不足の時に融資を勧められたら将来の返済のことなど考えずに借りたくなる気持ちも良く分かります。

本来ならば、貸し手の金融機関が返済の見込みを判断し、貸し倒れになるリスクをとって融資するので、返済できないような融資は受けられません。必要な融資もなかなか受けられないことが多いですが・・・。

この制度は金融機関にとっても毒饅頭のようなものかもしれません。
短期的には国がリスクを負担するので利益の確保ができますが、長期的には本来の返済能力以上の貸し付けを行えば、その企業は破綻してしまい取引先を失うことになります。
現在は低金利なので、金融機関は融資では大した利益は得られませんが、法人口座は振り込み手数料などの収入が個人口座に比べれば圧倒的に多いと思います。

金融機関にとっては、これまでの企業への融資をこの制度の融資に借り換えてもらうのが一番得なのでしょうね。借りる側の立場にとっても、これまでの金利がゼロになるので借り換えの利益はありますが、借り換え以上に更に融資を受けてしまうと、将来返済に困ったときにはより高金利の融資を受けるか、追加融資を受けられずに破産する羽目になるかもしれません。

良心的な金融機関であれば、短期的なリスクを国が負担したとしても、長期的なリスクを企業の立場で判断し適切な融資を行って欲しいものです。