一般に個人または小規模で事業を行う人は、経営の知識、経験、情報、資金が不足しがちな傾向にあります。このような方に利用して頂くために、格安で事務所が持てる経営コンサルタント付バーチャルオフィス・シェアオフィスサービスを始めました。
飲食・小売などの店舗を必要とする業種以外で、小規模事業者に向いている独立障壁が低い業種としては、イラストレーター、デザイナー、プログラマー、コンサルタント、翻訳者、講師など俗にいう「職人型」の業種があります。しかし、このような職人気質の方は、マネジメントが苦手な方も多く、「仕事なし」または仕事があっても「貧乏暇なし」状態になりがちです。これは、目先の仕事に追われて、ビジネスの仕組みづくりが不十分なことがひとつの原因と考えられます。
そして、そのような方々への支援は、行政や公的支援機関、金融機関等でほぼ無料で行われているものと、民間の専門家が有料で行うものがあります。
公的な無料支援サービスは経営セミナーや数時間で数回の相談事業が中心であり、一般的な知識習得には有効ですが、経営者の個性や事業状況に合わせた一歩踏み込んだ支援は十分とはいえません。
また、民間の専門家による有料サービスは個人で事業を行う経営者にとっては高価なものが多く、比較的安価なサービスは、コンサルタント等が顧問契約に結び付けたいという狙いがあるため、どうしても我田引水的な傾向があることは否めません。
継続的な支援を安価に受ける方法としては、公的な創業支援施設へ入居するという手段もあります。東三河にも豊橋サイエンスコアのようなインキュベーション施設もありますが、一番安価なサービスでもシェアオフィスで、2万円/月程度のコストがかかり、数も限られています。支援面でも第3セクターという事情で出向者が多いことから、担当者の任期が比較的短く継続的なサービスは十分とは言えません。
また、自宅を拠点として個人で事業を行っている方は、名刺や事業案内に本人の個人情報のほぼすべてを記載しなければいけないという問題点があります。
特に、女性やアパートなどに居住するなどして転居の可能性が高い方は住所を公開することに抵抗があると思います。そのため、名刺にメールアドレス程度しか記載できず、信用力の低下を招いてしまう恐れがあります。名刺に住所や携帯電話番号などを記載している方でも、個人情報をむやみに公開することに抵抗がありますと、不特定多数の見込み顧客に対して効果的な広告宣伝活動ができません。
そのため、バーチャルオフィス(私設私書箱)などに登録して連絡先を自宅とは別の住所・電話番号とすることが解決策として考えられますが、既存のバーチャルオフィスは都市部(愛知県では名古屋)にしかなく、東三河地域の事業者がこれらを利用すると事業エリアと連絡先にかい離が生じてしまいます。さらに、営業地域や居住地域と関係のない都市部のバーチャルオフィスへの利用は、悪徳商法の事業者と誤認されて、逆に信用力の低下につながってしまう恐れがあります。
サードオフィスはこれらの問題点を解決し、小規模事業者支援として民間ならではのかゆいところに手が届く事業を目指しています。
(株)サイエンス・クリエイトと連携し産業支援施設である豊橋サイエンスコア内にバーチャルオフィス・シェアオフィスを設置しました。利用者の個人情報を保護するとともに利用者の身元確認をしっかり行っているので、バーチャルオフィスであっても信用力の低下を招くことはありません。